

若手社員2人に、現在の仕事について語ってもらいました。(2025.6)

入社から一年が経過し、今の部署に配属されてからもう間もなく一年が経とうとしています。
私の配属された部署は、市場の中でも多くの取扱数量を誇る国産青果を取り扱う部署ではなく、輸入青果をメインで取り扱っている部署です。その為、入社直後の四ヶ月間の配属前研修で教わり学んだ事柄とはやや異なる展開をしている業務内容を、最初はメモ帳に書き出して覚えるだけでも精一杯でした。
輸入青果と国産青果の相違点の一つとして、青果物の全量を輸入商社から買い付けている事が挙げられます。国産青果のような市況という概念は薄く、産地からの毎日の出荷を元に価格や仲卸への分荷量を決める事はありません。商社との間で予め決められた価格を元に、商社側とどれだけの量を入荷するのかをやり取りして決め、そこから仲卸への分荷量を決めています。当然、輸入方法の大半は船舶輸送ですから、毎日入荷があるという訳ではありません。最大でも週二回程度です。また、港湾は日曜や祝日は開いていないため、場合によっては荷物を市場に着けることができない日も存在します。そのような中で、前以て頂いた仲卸の方々からの予約注文や、日々の発注数を考慮して、販売のサイクルを計画的に進めていくことが求められる部署なのです。
販売計画の立て方を補佐として学び続けていますが、中でも産地の影響で輸入数量が少なくなった際の大変さは計り知れぬ物があります。ちょうど、需要の冷え込む晩冬に入荷量が急増し、需要が回復する初春に入荷量が激減した品目を直近で目にしたばかりでした。仲卸の方々にも量販店や加工業者といったお客様がいて、はたまた部署で直接取引をしているお客様もいます。次の船に何ケース積載されているか不透明な状況で、少ないながらにどのようにやり繰りをしていくか、このままではお客様の発注数を満たせないのではないか、といったことも考えなければならず、結果的にお客様に数量不足をお伝えしなければならなくなった際には申し訳無く打ちひしがれるような思いもありました。
今は一部商社の方と連絡を取ってやり取りをする業務も任せていただいている身ですが、まだ担当品目を持っておらず会社内や量販店における損益といった側面で商材を見ることにはあまり実感を持てていません。ですから、まずは品目補佐としての仕事を十全に行いつつ、今後品目の担当を任される時の為に色々な経験値を積み、市場から購買者までの一連の流れを認識しながら営業として自分に出来る事柄を最大限担えるように精進していきたく思います。

入社してから一年が経過し、日々の業務にも慣れてきました。今では市場の仕事の流れや関係各所との連携の取り方など、基本的な業務を一通りこなせるようになり、自分なりの手ごたえを感じるようになっています。
最初の四か月間は、すべての部署、関連会社、他市場を回り、青果物の流通について広い視点から学ぶことができました。生産地から消費者に至るまでの流通の仕組を知るだけでなく、それぞれの工程における役割や、流通にかかわる人々の思いにも触れることができました。また、テレビやニュースで見聞きしていた「2024問題」についても、それが決して他人事ではなく、自分たちの業務や日常に直結する問題であることを実感しました。
産地研修では実際に生産者の方々と直接交流する機会があり、野菜や果物がどのように育てられているのか、天候や気候条件が品質にどのような影響を与えるのかなど、現場の声を学ぶことができました。作業の大変さや、生産者のこだわりにも触れ、多くの手間をかけて市場に入荷してきているということに気が付かされました。
量販店研修では、消費者目線での販売を体験しました。商品の包装や陳列、POPの工夫など、消費者の購入意欲を高めるための様々な工夫が凝らされており、価格や品質だけでなく「美味しそうに見える」「今が旬」「お買い得感がある」といった心理的要因が購買行動に大きく影響することを知りました。市場での卸売業務においても、最終的には消費者が商品を選ぶことを常に意識し、そのニーズを理解することが重要であると感じています。
8月から野菜部へ配属され、基本的な業務を中心に取り組んでいます。仕事では、仲卸業者とのかかわりが多く、業態にも様々な種類があることを知りました。例えば量販店に対して大量に商品を卸している業者もいれば、外食チェーンからの細かい注文に対応している業者、加工業者、学校給食など特定の用途の注文を持っている仲卸業者もいます。
それぞれのお客様が求める商品には違いがあり、注文内容は産地、等級、重量、荷姿といった指定がされていて、それを正確に理解して対応することは、初心者の私にとって非常に難しい仕事でした。
業務を進めていく中で、仲卸のお客様から指示される発注内容に対して、できる限りその要望に合った商品を販売することの重要性を強く感じました。
また、その日その日の入荷予定を正確に把握することが、スムーズな販売につながることを改めて実感しています。青果物は天候の影響を受けやすいため、出荷量や品質、価格などが日々変動します。こうした不安定な要素に対応するためにも、常に最新の情報を収集し、迅速かつ柔軟に対応する姿勢が求められると思いました。
特に、仲卸業者や量販店に対して商品を案内し、より多くの青果物を販売していくためには、自分自身が誰よりも早く全国の動向を把握しておく必要があると感じました。荷動きが良いか悪いか、これから出荷量が増えるのか減るのかといった未来の見通しまで、幅広い情報を集めて判断する力が必要です。
そのような情報は、日々の会話の中から得られることが多く先輩方が、取引先や関係者とのやり取りの中で自然に情報を引き出している様子を見て学ぶことが多くあります。
その一方で私自身はまだ相手から有益な情報を引き出すための会話力が不足していると感じています。「この人になら話してもいい」と思ってもらえるような信頼関係を築くために、語彙力や表現力、想像力を意識して磨いていきたいと考えています。また、将来的に自分が特定の品目を担当することになった際には、その品目にかかわる情報や動向をいち早く察知するための人脈作りも大切になると感じています。信頼できる関係性の中で交わされる情報が、日々の判断や戦略に大きな影響を与えるからです。今のうちから少しずつ人とのつながりを意識して、信頼される存在になることを目指していきたいと思います。